自分の内側に残っている感情にまだ火が付いていて、何かの拍子に爆発させたりしていませんか?
特に、自分が火元だと思っている人を前にしたとき。
その感情を捨てたい、手放したいと思っているのに、ものすごくこだわっている自分がいて、ものすごく苦しい。
なぜこの感情に強くこだわってしまうんだろう。
そんなこだわりをぎゅっと抱えて生きているときの心の状態が分かったら、少し離れた場所から自分を見つめることができるかもしれません。
こないだセッションをしたクライアントのAさんは、母親から否定や批判をされて育った過去をずっと抱えながら生きてきました。
Aさんは大人になってから、何か問題が起きた度に気持ちを何度か母親にぶつけてきました。
「ちゃんと私のことを聞いてもらいたかった」
「『どうしたの』と訊いてほしかった」
「気持ちを分かってもらいたかった」
そしてなにより、「寄り添ってもらいたかった。」
でも母親はいつも黙っていた。
黙っているから、余計に責め立てたくなる。
返事があるときはやっぱり否定される。
Aさん「わたし、あの時すごく傷ついたんだよ!」
母親「そんなこと言った覚えはない。そもそもあなたはいつも面倒を起こす。」
一度でいいから母親に「ごめんね」と謝罪してほしい。
感情が残り続けていると、人は、その真に隠された本当の自分の感情に触れに行くより、その感情の原因を外側に求めていくんですね。
その時の感情が、多くの残り続けている感情の一つとして混じり合って、大きな感情の塊としてAさんの中に滞留しています。
Aさんはその感情を母親に解消してもらいたい。
だから謝罪してもらいたい、と思っています。
でも母親は、その感情を受け取らない。
受け取ると、自分を否定することになるから。
そうやって、感情の原因を相手に求め続けると、相手が自分を認めないかぎり、その感情が解消することはないんですね。
でもその感情をどうしても手放せない。それは、
母親への想いを無しにすると、自分が受けた過去の傷みを否定するような気持ちになるから。
だからずっと、過去の傷みに執着し続けてしまうのです。
それを続けていると、下手すると何十年も苦しい状態が続いて、その間の自分の行動を、無意識にこの痛みを元に選んでしまうんですね。
それが、人によっては社会生活でめちゃくちゃ活動的に出たり、なんらかの症状が出たり、部屋から出れれなくなるなど、顕れ形が違うだけで根っこは同じです。
過去の辛い感情体験と、それを基準に自分が頑張ってきたことを結びつけているから、
「自分の来し方=自分のアイデンティティ」と捉えて、これまでの辛さを手放せなくなっています。

あなたの経験には、あなた自身の価値がつまっている。それは、まぎれもない事実。
辛い感情を手放しても、あなたの価値がなくなることも、変わることもない。
むしろ、手放してからが本領発揮!
「頑張らなきゃ」ではなく「やってみたい」「こうしたい」の気持ちをベースに、行動を選べるようになっていきます。
そうやって動き出すと、これまでの経験が本物の価値として現実的に生き始め、あなたを支えてくれる力になってくれます。
そしてそれが、あなたのかけがえのないアイデンティティになっていくんです。
だから、焦らずゆっくりで大丈夫。少しずつ、安心して手放していってくださいね。



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