プロセスという名の処方箋

感情と共感

検査を受けに眼科に行きました。
先生には10年くらい診て頂いています。

予約制でも検査を受けたのは1時間以上待ってから。機械に掛かると検査はあっという間。

その後診察に呼ばれるまでさらに40分。

名前を呼ばれ、真っ暗な診察室に。
先生の診察を受け、検査結果を聞きました。

先生は私にカルテを見せながら、「4年前から変わっていないですね。データの経緯を追いながら、症状は進行していないと判断するのね」と年次毎に貼り付けられた画像から丁寧に診断してくれました。

わたしはこの日、ある薬を処方して欲しいと言おう、と決めていたんですね。

わたしは心や意識の世界と同じように健康情報に興味が尽きず、サプリメントや健康食品、医療機器などアンテナを高めに張っています。なるべく薬に頼らず治したいと思っているから。

そんな中、以前別の症状で飲んだことがあるサプリメント(日本では医薬品扱い)が視神経にも良いとたまたま知ったことがあって、先生に、「パソコン仕事をしていると目がすごく疲れてしまうので、〇〇を試してみたいのですが、処方していただけませんか?」とお願いしてみました。

先生は、「〇〇が眼にいいかどうかはわからないですね。PC見て疲れるのは現代人は皆がそうだから。だから何かを足して補うより、スマホを見ないようにするほうがいいんじゃないかと思います。」と笑顔で答えられて。

私は、「確かにそうですよね~。スマホはちょっと気を付けます。」と納得して返事をしつつ、もなぜ欲しいかを伝えようと「××の症状のときに〇〇を出されて飲んだのですが、そのとき目がすごく良く見えたんですよね。」と、実際に体感した経験を話しました。

すると先生は、「わたしが勉強不足で〇〇のことが分からないのね。それで副作用とかなにかあったら大変だから、ちょっと出せない。ごめんなさいね。」と仰られた。

わたしはこんな先生とのやり取りで、二つのことで満足しました。

一つは、先生に、意志を持って「〇〇を処方して欲しい」と願い出れたこと。
どうしても欲しいとこだわっていなかったけれど、じぶんの実体験を理由にもう一歩踏み出して話せたこと。

もう一つは、先生は先生の視点に立って、何かを足すよりスマホの視聴時間を減らしたほうがいいという見解、それと、

私の体験に対して、先生自身が〇〇の知識がないから作用・副作用の両面から判断が付かず出せない、とお詫びで結んで話してくださったこと。

私が遠慮して、[患者から先生に処方してほしいと言ったらダメよね]と自分の希望を引っ込めたり、言ったとして断られたら萎縮して、[やっぱりだめですよね、すみません・・・]のような気持ちで受け答えしたら、ぜんぜん別のやり取りになったと思うのです。

やっぱり自分の側に立って、自分を肯定的に伝えることは大事ですね。その場合、あまり結果に固執しないこと。そういう意識が相手に伝わるから。先生も私の希望を率直に受け取って、先生の立場からきちんと答えてくれました。

結局処方してもらえなかったけれど、
結果的に「願いが叶った・叶わなかった」より、向き合って話せてお互いを理解し合うという「プロセス」を処方箋代わりに持ち帰りました。

たった10分くらいの時間なのに満たされたなぁ。。。

「結果」より、プラスの意識でじぶんを大切にした「プロセス」。

そこにフォーカスしてみませんか?


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