例えば、付き合っている人または夫が、何かに触れると私をひどく罵倒する。「俺さ、すごく疲れてるんだよ。なのになんで分かんないんだよ!」「甘えたこと言うなよ。」「そんなこといいから黙ってろよ!」
この数年間、あなたはそれにずっと悩んで苦しんできたとするね。
彼に「その言い方だと私が傷付く」と、その都度話してきたけれど、彼にはどうも、心のことが通用しない。
そのたびに「ごめんね。僕が悪いんだ。次から気を付けるから」と謝るから、私もつい折れてしまう。「まぁいいよ。悪気があったわけじゃないし。私も気が付かなくて悪かった。」みたいに。
でもやっぱり、彼は私の訴えを心で受けとめていないから、自分が何をどう言ったりしたりすると私が傷付くのか、感情で分からない。だから同じことを繰り返す。
私は疲れた。
もう離れたいとも思う。
でも私が彼から離れると、友人付き合いがない彼は、独りぼっちになってしまう。それに、何もなければ、彼は元々とてもやさしい人。普段は穏やかで、とても細やかに気遣ってくれる。お金も惜しみなく出してくれる。浮気もしないし。私は彼から大切にされていると思うし、私も彼を大切にしてあげなくちゃと思う。
でも、彼が怒鳴るのが本当にイヤ。でも彼を孤独にさせられない。
どうしたらいいんだろうーーー。
こんなふうに、罪悪感にかられて、人間関係において決断できないことがあるとします。
自分は苦しい。
でも相手のことを慮ると、離れられない。
罪悪感を感じる人は、相手の立場を考えられる優しい人。
自分のことよりまず相手のことを優先できる人。
そんなあなたは悪くないよ。罪悪感を感じる自分を責める必要はないから、どうか安心してね。
それはとても尊いこと。そんなことは誰もが出来ることじゃない。
自分のありのままを、すべて受け容れて、認めてあげてね。
じゃあ次に、それを表裏ひっくり返して見てみよう。
あなたの「裏」に光を当ててみるよ。
隠れた裏側=心の奥底と捉えてね。
すると、なにが浮かび上がってくるか。
罪悪感を抱くメリット。そんなものが見えてくる。
「私が離れると彼に悪い」と思うあなたのメリットって何だろう。
もっと近づいていって、「私が彼から離れないメリット」と考えるとどう?
・今の生活が維持できる
→経済的に自立しなくて済む
・彼が孤独で自分一人だけに向いてくれる
→自己価値を埋められる
そうそう。いろいろ出てきそうだよね。
経済的な問題、自己価値を埋めようとしていること
あなたの奥底から出てきたことから、さらに「なぜ?」と問い合わせて、自分の内側に潜っていくと、あなたは一体何に触れるだろうか。
私についての罪悪感の話しを少しするとね、ずっと以前、会社の飲み会で、他部署の女性の先輩が酔いつぶれた時のこと。
なぜか、放っておけない自分がいたの。
そのとき自分の終電が迫ってて、同じ帰路の同僚に「もう帰ろう。〇〇課の人に任せておけば大丈夫だよ」と言われたんだよね。
確かにそう。飲ませたのはその課の人たち。
だけどなぜか、任せて帰る=放置して帰る、と自己内部で自動転換していて、猛烈に後ろ髪引かれながら同僚に手を引っ張られて帰ったのを、今でも覚えています。
全く関係ないところでも罪悪感て発動するから。
罪悪感は、いろんな根っこのひげ根にくっついている。
あなたの内側にあなたが潜って探しにいくと決断したら、あなた自身が必ず見つけられる。
その上で、今あなたの眼の前にある問題を見つめ直してみると、一段フェーズが上がった視点で捉える自分を感じるはず。そうしたら、あなたはきっと発見する。その問題に対して、自分の内側に沿った選択ができるようになった「自分自身」を。