「できる」と思えばできる。「無理だ」と思えば、何も始まらない。 そんな経験、ありませんか?
友人と温泉旅館に泊まった翌朝のこと。 朝食を終えて食事処を出ようとしたとき、ふと古びたアップライトピアノが目に入りました。 「触らないでください」の張り紙もなく、そっと蓋を開けてみる。 鍵盤は長い間、空気にも光にも触れていなかったようで、ほこりと匂いが漂いました。
私は無心で、右手の人差し指でGの白鍵を押しました。 ポーン。ソー~~・・・ まるで、眠りからそろそろと目覚めたようなくぐもった音。 ピアノが、私の指先に応えてくれた瞬間。
嬉しくなって、左手でドソミソ…とハ長調の伴奏をつけて、即興でソナチネ風に弾いてみました。 すると背後から、小さな感嘆の声が。
振り返ると、旅館の女将さんが従業員の方と目を見開いて立っていました。 「そのまま、弾いていてください」 そう言ったあと、少し戸惑いながらこう続けました。 「もう鳴らなくなったと思っていたので、そのままにしていたんですけど…お客様がお弾きになって音が鳴っているので、驚いてしまって…」
えっ、そうだったの!? 友人と目を合わせて私たちもびっくり。私はただ、ピアノだから「音が鳴る」と思って弾いただけ。 でも女将さんは「もう鳴らない」と信じていた。 きっと何度か試して、本当に音が出なかったのでしょうね。
それぞれが信じていたことが、現実になったということ。
私はこのとき、ワクワクしながら蓋を開けました。 久しぶりに本物の鍵盤に触れることができる。 しかも無料で、自由に弾けるなんて! わーうれしい!ありがた~~い!超ラッキー!!
意識はエネルギーとなって物質に伝わる——量子物理学の世界観。 私の「弾ける」という喜びに溢れた意識が、ピアノに伝わり、音を鳴らしたといえます。
その後あのピアノはどうなったのかな。 あの瞬間の女将さんの表情も忘れられない・・・。
思い込みが外れるとき
「できる/できない」という二極の思い込み、私たちの中にありますよね。
開かないと思っていた瓶のフタが、開いた。 ないと思っていた鍵が、見つかった。 壊れたと思っていた電化製品が、動いた。会議の場で発言するのが苦手だったけど、自然にできた。
それって、瓶や鍵や電化製品や集団が「できない」状態だったというより、 私たち自身が「できない」と思い込んでいたから、そんな現象を起こした。これが意識の法則。
つい、物質や人に対して「相手のせい」にしてしまうことってアルアルです。 でも、意識の世界はとてもシンプル。自分の意識だけ見てればいいんですから。
なにかができないとき。それは「私は〇〇できない」と、自分が思い込んでいるだけ。
あなたの中にも、まだ鳴らないピアノはありませんか?意識をちょっと自分に方向転換させてから、その蓋を開けてみてくださいね。
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