返信がないと、心が勝手に傷ついてしまう 1

感情と共感

「なんで返信くれないんだろう…」 そんなふうに気になって、一日何度もスマホを確かめては、心がざわざわしてしまう。そんな人は、実は少なくありません。そういった感情の奥底に、「応えてもらえなかった記憶」が沈みこんでいるとしたら。

幼い頃、親や身近な人に気持ちを受け止めてもらえなかった経験。 それが「私は認められていない」「価値がない」といった思い込みにつながってしまうことがあります。

思い込みとは、言い換えれば“未完了の感情”による誤った認識。 子ども時代に感じた感情を、ちゃんと受け止めてもらえていたら、 「自分の気持ちは伝えていいんだ」という安心感が育って、自己肯定感のベースになります。

けれど、現実にはそのプロセスがうまくいかないことも多い。

親自身が、自分の幼い頃の時代背景や生活環境の影響で、精神的に成熟しきれていなかったり、親になって子どもの感情に向き合う余裕がなかったりする。 昔は家庭に兄弟や姉妹が多かったし、今は共働きで時間も足りない。

親だって完璧じゃない。今も昔も日々を送ることに精一杯で、子どもに向き合うという認識を持ち合わせていないかもしれない。

それでも、ほんの少しでも子どもと向き合えたら、親子で一緒に成長していける。 大事なのは、完璧じゃなくても「気づこうとすること」。

ただ、子どもが、親に自分の感情を受け止めてもらえないと感じたとき── 子どもは自分の気持ちをどう扱えばいいか、知らない。それでも行き場のない感情を無意識になんとかしようとする。家族に適応するために。

「愛されてたと思うけど、望んだ形じゃなかった。」
そんな感情のズレに、 「認められない自分」「価値がない自分」というラベルを貼って、小さな心の泉の底に沈め込む。

それが潜在意識下で自分の足かせとなり、大人になって人間関係に不具合が出てくるのです。

例えばメールに返事が返ってこないとき。「私は嫌われている」「私は会社で認められていない」などと解釈してしまうことにつながったりします。

ほんとうは、ただ、「メールの返事がない」という事実だけです。

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