現実を変えたかったら、まず行動する。
私の記事を読んでいる人はきっと、そんなことを一度は耳にしたことがあると思います。
行動した結果、どうだったかは大切だけれど、たとえそれが失敗と映ったとしても「行動したことを認める」ということが結果以上に大切なこと。そう心に留めていろいろやってみたことがありました。
子育てと家事で自分がなくなっていきそうだったから英語を勉強しにいったり、週5日働くのは体がきついから「週4日勤務を交渉する」とか。
行動したこと自体がOK。行動そのものが素晴らしいこと。そこに失敗はない。
確かにそう思う。確かにそうだ。
私は外に向いて頑張っていたタイプだから、外側へチャレンジすることをいろいろとやりました。
でも私は、ほとんど変われなかった。
何が?
しんどい状態から。
確かに行動して、希望はわりと叶えられてきたと思います。
振り返ると、突拍子もない相談をしたと思う。そんな話しに心を開いて応えてくれた職場や家族には、今も深い感謝の念を持っています。私に行動を起こさせてくれたのですから。
行動して本当に現実が変わったこともたくさんありました。
それでも、それなのに。
なぜ変わらず苦しい状態から抜け出せないんだろう?
ここに長いこと悩みました。外見上はなんとか行動して保っていたけれど、内側はもがいて息をするのも苦しい。過呼吸になって、息が本当に吸えない。そんな状態が続いたのです。

心の中に閉じ込めている「思い込み」。多くは幼少期に親から無意識に引き継いだ「親の価値観」だけれど、そんな思い込み=メンタルブロックは、外そうとして前向きに考えて行動しても、私は外すことができませんでした。
頭ではとっくに分かっていました。心理学を学んでいたし、認識していた。完璧主義な自分がいるとか。我慢している自分がいるとか。
確かに体は楽にはなった。休みの日が単純に1日増えたわけだし、子どもと過ごす時間を以前より長く持てるようになって、心の余裕も出来たし、それは嬉しいことでした。
けれど数カ月もしたら、
「周りはみんな週5日働いているのに、自分だけなんできつくなるんだろう」と自分を厳しく取り締まる審判が、ざわざわと胸の奥から上がってくるのです。
行動した結果から、やれたことを見る。行動したそのものを認めるー。
そうなんだけれど、究極的に「何か」がずっと心に居座って、その何かに縛られ続けていました。心は変化しなくて、もがいてもがいて。
あなたがもし心と体がしんどかったら、どんな選択を決断するでしょうか?
心理学に出会う前の私は、子どもの頃から感情を抑えて生きていました。
小学生の頃からジャーナリングをして自分と向き合ってきたつもりでしたが、寂しい気持ち、怖いと思うこと、苦手なことがあって弱い自分とか、汚い自分とか、そういうものをまるごと書き出して受け止めるような書き方をしていなかった。
そうではなくて、「(そんな状態や気持ちになっている)じぶんは何なんだろう。もっとこうしよう、こうなろう」と内省的な改善を習慣づけていたから、ますます外側の基準に合わせて生きることを強化することをしていたんですね。
そんな前提だと、自分がしんどい状態であることが全く分からなくて、現実的に、自分の子どもが幼いのに「子どもがいるからって中途半端な仕事ぶりだと思われないようにしなければ!」と、出産前よりずっと自分にプレッシャーをかけて、時短なしで働き始めたりしました。
これは自分の気持ちを理解していない、方向を間違えた行動。
行動を選択してもしなくても、どっちにしても「しんどい」状態が続きました。
なぜでしょうか。
その答えに出会ったのが、ライフコーチの講座でセッションの実践練習を繰り返した中でのこと。
長い霧のトンネルをさまよっていたあの状態の理由が、これだったのか、と。
私の場合、自分を縛る意識も分かっていたけれど、潜在意識を深堀りしてメンタルブロックを取り去ることよりも、絶対的に必要だったこと。それは、
本当の自分の思いを真正直に吐き出して、安心安全な場所で、話すこと。
正直な気持ちをそのまま、過去きつかったその時どう思ったか、嫌な自分、できない自分、弱い自分、こじらせた自分、何にどうしんどいのか、心から話しをすること、聞いてもらうことを、私はしていませんでした。
子どもの頃からケア側に居た私は、「子どもの頃に聞いてもらいたかった」気持ちを話すことが先決でした。
行動を先にしてみても、どうしてもその子どもの頃の気持ちが奥に留まって、私を抑え続けていたのです。
行動を変えたら意識も変わり、現実が変わっていくケースはもちろんあると思います。
ただ私のように長い年月、自分の感情に蓋をして我慢し続けて奥深くに閉じ込めてきたような人は、まずは自分の気持ちに気が付いて、ともかく人に話を聞いてもらうこと。
その上で、自分に向き合う支度が整ってきたら、心の底に少しずつ潜っていき、その蓋を知ってそっと開け、心の中の思い込みを自分で見つけてて認めていく。そんなふうに進んでいくことが必要なんじゃないか。
これが私がライフコーチングの経験から実感したことです。
私のコーチングでは、悩みの根本をクライアントさんと一緒に探しに行きます。
もしあなたが、行動しても現実がなかなか変わらないと感じているようだったら、
心の思い込みを探るより、まずはあなた自身が自分の正直な気持ちに触れることが先なのかもしれません。
潜在意識を知り、メンタルブロックを外したり、行動を変えて意識を変える前に。


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